ダウンドッグで踵が床につかないのは“普通”です

「先生のように、踵が床につかない…」
「何年やっても浮いたままなんだけど、私だけ?」

そんな風に感じたこと、ありませんか?

ヨガの代表的なポーズ「ダウンドッグ(下向きの犬のポーズ)」は、一見シンプルに見えて奥が深い。
そして最も多くの人が悩むのが、「踵(かかと)が床に届かない」問題です。

でも、はっきり言います。
踵がつかなくても、まったく問題ありません。

今回は、なぜ踵が床につかないのか?どう向き合えばいいのか?
体の仕組み・心の持ち方・実践的なコツまで、深掘りしていきます。


そもそも、なぜ踵が床につかないのか?

結論から言うと、理由はひとつではありません。
以下のような**身体的な“構造の個性”**が主な原因です。

● ふくらはぎやハムストリングス(太ももの裏)の柔軟性不足

デスクワークが多い人、運動不足の人は特に張りやすい部位です。

● 足首(アキレス腱や関節)の可動域が狭い

これも個性であり、「柔らかくなるには時間がかかる場所」です。

● 腰が丸まりやすく、骨盤が後傾している

姿勢のクセが影響することもあります。

つまり、“意志”ではなく“構造”が理由なのです。


無理に踵を床に着けようとすると逆効果?

ここが大事なポイント。

踵を無理に床に押しつけると、膝が過伸展したり、腰が丸まったりして、フォームが崩れるリスクがあります。

ダウンドッグは、「踵が床につくかどうか」が目的ではなく、
背骨を長く保ち、全身をリラックスさせる“通過点のポーズ”

踵が床につくかどうかは、“副産物”くらいの意識でOKです。


「つかない踵」と、どう付き合えばいいか?

✅ コツ①:膝を“思いっきり”曲げる

初心者ほど「膝は伸ばすもの」と思いがち。
でも、膝を緩めることで骨盤が立ち、背骨が自然に伸びます。

結果的に、体全体が整い、踵が床に近づいてくる準備が整うのです。

✅ コツ②:土踏まずを意識する

足裏の外側に体重がかかっていませんか?
親指の付け根や土踏まずにも“意識”を送りましょう。

「踵をつける」より、「足裏で地面を感じる」方が重要です。

✅ コツ③:長く吐く呼吸で“ふくらはぎ”を溶かす

呼吸の力は偉大です。
3秒吸って、6秒吐く。これだけでも、筋肉は少しずつ緩みます。

毎回ダウンドッグに入ったとき、「ふくらはぎに呼吸を送る」イメージでやってみてください。


実は、ヨガ上級者にも“踵がつかない”人は多い

ここだけの話。
インスタで綺麗に見えるヨガインストラクターたちでも、踵がついていない人は大勢います。

なぜなら、体の構造上どうしても「アキレス腱が短い」人もいるから。

それを無理に押し込んでしまうと、足首を痛めたり、将来的にヒザや腰に影響が出る可能性もあるのです。

ヨガは競技ではなく、自分との対話。

踵がついているかではなく、「気持ちよく呼吸できているか?」が判断軸になります。


踵がつくようになった“ある日”の話

私自身、ヨガ歴3年目でようやく「ある日、ふと踵が床についた」瞬間がありました。

でも、それは**「つけよう」と思っていなかった日のこと**。

背骨が伸び、呼吸が深まり、全身が“今”に集中できたとき。
身体が勝手に、そうなっていたんです。

この体験から学んだのは、

ヨガの変化は、意識を手放したときに訪れるということ。


まとめ|つかない踵は、未完成ではない。“今”のあなたの形。

ダウンドッグで踵が床につかない——それは“劣っている”のではなく、“その人の今”を表しているだけ。

  • 膝を曲げてOK
  • 呼吸を深めてOK
  • 形より感覚を大事にする

ヨガは、誰かと比べるものではなく、自分との「気づき」を深める時間です。

踵が浮いていたって、
今日のあなたの呼吸が心地よいなら、
それは立派な“完成形”です。

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